古代への情熱―シュリーマン自伝 シュリーマン (著), Heinrich Schliemann (原著), 関 楠生 (翻訳)

少年時代と、商人としての人生行路(一八二二年‐一八六六年)
イタケー、ペロポネーソス、そしてトロイアへの最初の旅(一八六八年‐一八六九年)
トロイア(一八七一年‐一八七三年)
ミュケーナイ(一八七四年‐一八七八年)
トロイア第二、第三の発掘(一八七八年‐一八八三年)
ティーリュンス(一八八四年‐一八八五年)
晩年(一八八五年‐一八九〇年)


シュリーマン学習法

大きな声でたくさん音読すること

ちょっとした翻訳をすること

毎日一回は授業を受けること

興味のある対象について、常に作文を書くこと

そしてそれを先生の指導で訂正すること

前日に直した文章を暗記して、次回の授業で暗誦すること


私の記憶力は、子供のころからまったく訓練してなかったために弱かったのだが、しかし、私は楽章のためにどんなに短い時間でも活用したし、時間を盗みさえしたほどだった。

できるだけ早くよい発音を身につけるために、日曜には定期的に二回、、イギリス教会の礼拝式に行き、説教を聞きながらその一語一語を小さな声で真似てみた。使いに行くときはいつも、雨が降るときでも、手に本を持っていって、少しでもそれを暗記した。

郵便局で待っているときにも、本を読まないことはなかった。こうして私の記憶力は徐々に強くなった。そして三ヵ月後にはもう、あらかじめ三回注意深く読んでおけば、毎日どの授業時間にでも先生のミスター・テイラーとミスター・トンプソンの前で、印刷した英語の散文に二十ページを、やすやすと言葉どおりに暗誦できるまでになった。

古代への情熱―シュリーマン自伝 (新潮文庫)

古代への情熱―シュリーマン自伝 (新潮文庫)